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「……崩壊してく BayLagoonTower……」

「瓦礫のGOALを越えて
 走りきった俺は
 アイツの夢の中にいた」

「俺は炎の中に立ちすくんでる」

「……この腕が覚えてる……」

「紅蓮の炎の熱にうなされ……
 握りしめた鋼鉄の冷たい温度…」

「そうさ、手の平の汗ですべっちまって
 俺は……何度も何度も……
 ……握りを確かめたんだ……」

「……その度に……
 鉄の温度は増してった」

「その度に……
 ……俺の手になじんでった」

「ひんまがっちまった鉄の塊は
 俺の腕の一部だった」

  【炎の中、リムジンが横転している。
   うろたえるWON-TECの社長に
   凶器を持って忍び寄る赤碕】

『…………殺るぜ…………』

『……ひとり残らず……』

『オレは……10年前も……
 そうしたんだ……』

  【赤碕が殴りかかる刹那、
   シュナイダーが社長を撃つ】

シュナイダー
「君が手を下す必要はない。
 時代に取り残された愚か者たち
 彼らを葬り去ること」
「それが私の仕事だった」
「ウォン・リー……そして……
 D-Projectに関係した
 すべての人物」
「私は『Diablo』をもって
 ヨーロッパに凱旋する」
「『Diablo』の障害は
 克服されなかった……」
「出来損ないのサンプルは
 あわれな失敗続きだった」
「だが……それがなんだ?」
「わかるか?
 いまの『Diablo』には
 それ相応の使い道がある」
「……? 『君』はどっちだ?
 『彼』なのか『君』なのか……
 どちらでも、もはや大差はないが」
「ここが崩れるまでしばしの時がある。
 君とGAMEを続けるくらいの
 時間の猶予は十分にある」

赤碕
「……俺と……
 GAMEだと……」
「ふざけるな……!!」

シュナイダー
「君にはApologize
 しなければならない」
「これから話すことは
 ささやかなお詫びのしるしだと
 思ってくれ」

赤碕
「……いらねえ……」
「……聞きたくねえんだ……
 おまえの話なんて……!」

シュナイダー
「これほど、手の込んだことをする
 必要もなかったのだ」
「だが、それは私の性分……」
「Riskが大きい方が
 Pleasureも大きい」
「……人生はGAMEに似ている……」
「人生は、楽しくなくちゃいけない」
「なにより…最近は恐怖にゆがむ人間の
 表情を見物しないと
 生きてる実感がわかない」
「仮説に確証を持ったのは
 君の持ち帰ったDISKのプロテクト領域を
 解析していたときだった」
「そこには
 君の真実の履歴が残されていた」
「もっともそれは何でもない
 空白の羅列……」

「君は誰でもない……
 ……名もなき走り屋……」

「……それが真実だ……」


シュナイダー
「……北の国の思い出話を聞かせよう……」
「君が北海道で出会った男……」
「……君を眠らせた男……」
「彼の名は、川志摩サトル……」
「D-Projectの
 チーフレジデントだった男だ」
「いささかRomanticにすぎたな。
 科学者であり続けるためには……」
「川志摩は言った……
 ……命ごいもせずに……」
「君を助けてやれ、と……」

川志摩
「『彼』を助けてやってくれ……」
「……罪は我々にある……」
「人の感情を操作する……
 人がもっとも人であるその部分を奪って
 人間の可能性の延長など……」
「我々のしてることは
 ただの科学者の絵空事……」
「夢の実現のためなら
 なにをしても許される……?」
「……そう考えてごまかすには
 10年前、私はあまりに若かった………」
「あの夜……
 事故に巻き込まれて運び込まれた
 青年の顔を見たとき、知らされた」
「『彼』はDiabloのサンプルの一人ではない……
 見たこともない何の罪もない若い青年だった」
「そのまま放り出してしまったとしたなら
 君が消去するであろう何の価値もない
 走り屋の若者だった……」
「『彼』は無慈悲な怒り…ぶつけるあてのない…
 苛立ちの表情をしていた」
「……自分の夢だと思っていた
 『Diablo』……」
「……『Dream』って
 呼んでいたよな、あの頃は……」
「…………それが……
 とてつもなく恐ろしいもので
 あることに……」
「それに気づかなくなっていた
 自分自身に恐怖を感じた」
「彼を助けることは私の償いだった」
「この山奥での暮らし…10年間……
 毎朝…木々の間からさしこむ
 癒やしの光は、静かに私を包んだ」
「いつか……こうなる日が来ると
 わかっていた」
「すぐに死にたくはなかった……
 私だって死ぬことは怖い」

  【シュナイダーが発砲。
   息絶える川志摩サトル】

シュナイダー
「川志摩の話は聞くに耐えなかった。
 事実は、何一つ変わらないからだ」
「君は、あの夜……横浜戦争終結の夜……
 走り屋事故に巻き込まれた
 名もなき走り屋……」
「『Diablo』の抗体情報など……
 君にはない」
「……『最後の希望』……」
「我々が後生大事にCAREし
 CUREした君は……」
「何の価値も生み出さない
 ただの走り屋だったのだ」

「あの事故現場に居合わせただけの
 …………偶然の走り屋…………」

「川志摩サトルの感傷を
 刺激したにすぎない誰でもない男……
 それが『君』だ……」


シュナイダー
「……『Diablo』……」
「極度の緊張状態の限界点での
 ホワイトアウト」
「恐怖を抑え、感情を乗っ取り
 常に語りかけるVOICE効果」
「ぜいたくなものだな、ヒトは求める。
 さらなる恐怖と呼ばれていた感情を。
 ヒトであった頃を懐かしむように」
「抑制は効かない。 命じるままに動く」
「使い道は、君の想像に任せるが……」
「自動車事故……鉄道事故……
 飛行機事故……大きな利益に結びつく」
「既に何件かの成功事例は
 NewsSourseをあたれば
 発見できるだろう」
「私のクライアントは
 世界でも一流のところに限っている」
「大作主義……量より質……
 それが成功の秘訣だ」
「…………『Diablo』…………」
「手のひらに乗るカプセル」
「………これが世界だ………」
「……大きな未来が約束されている……」
「…………ゆるぐことない成功…………」
「………私の手の中にそれがある………」

  【Diabloを右手にかざすシュナイダー。
   赤いかけらを手にとった藤沢の姿が
   赤碕の脳裏にフラッシュバックする】

赤碕
「沢木のテールランプ……
 ちっぽけなかけら……
 大きな未来への小さな奇跡」
「それに賭ける走り屋の夢。
 散ってしまった幾つもの小さな命……
 俺たち、走り屋の夢……」

『汚したのはコイツラさ……
 オレたちのことを……』

『10年前……そして今も……』

赤碕
「わかんねえよ!!
 ……あんたの話はまちがってる!!」
「だけど……そんなこと考えたって
 なんにもならねえ!」
「……そうさ……
 今の俺の思いだけが真実だ」
「俺はもう一度走る……
 俺自身の感情で……」
「けりをつける!
 それを罪だって言うなら……
 俺はそれでもかまわない」

シュナイダー
「そうだ……その目だ」
「怒りに震え……
 激烈な感情の浮かんだその目」
「あまりに人間的な……その目……
 ……おまえの存在……」
「やがて、恐怖に変わるだろう」
「最後のGAMEにふさわしい」
「REWARDSは……生活する自由」
「豚のような人生……
 生きる自由」
「生きてもいいんだ……
 君にはその権利がある」
「準備を整えるがいい。
 BayLagoon先端までのRACE……」
「君が死ぬか……
 ……私が死ぬか」
「GOALはDeadEnd」

  a)GAME SAVE
  b)MACHINE COMPLETE
  c)……LAST BATTLE

<a)を選択>
→GS画面へ
→へ

<b)を選択>
→マシンコンプリート画面へ
→へ

<c)を選択>
シュナイダーを撃沈せよ
         HIGH SPEED DRIVING RPG

 【シュナイダーとバトル】

→GS画面へ

「DEAD END……約束はなされた。
 シュナイダー……アイツは不気味に笑ってた。
 微動だにしない……死への恐怖を覚えない」

「俺が突き落としたのか……
 自分から落ちていったのか……
 ……わからねえ」

「その時、俺の中のソイツは俺を奪ってた。
 まるで、自分がすべてを引き受ける……
 ……そう言ってるかのように」

「そうさ……怒りが消えていく……。
 いまはコイツだけのものじゃない
 この思い……だけど、わかってる」

「俺たちはおとぎ話の英雄なんかじゃない。
 シュナイダーひとりどうしたところで
 世界なんて救えやしないさ……」

「……いま残されたのは最後の悲しみ……」

「……ここが俺のGOAL LINE……
 …………戦いの終わり…………」

「辿り着いた最速の彼方………
 待っていたのは、いびつな形をした
 藤沢先輩のRS2000tbだった」

「……どこかでわかってた……?
 ……真実を知るのを拒んでた…?」

  【RS2000tbから降りてきたのは…】

「そうさ……あの夜も……
 すべてを知ってほしいって
 言ったよな……」

「……愛してるから……」

「意味なんて、わからずに
 ………オレたちは………」

「……捜してたんだ……」

「いつだって……
 ……誰かを……」

「………いまの俺………
 MACHINEになりたい」

「何一つ感じず、ただ走り続ける……
 MACHINEになりたい」

葵
「10年前……
 走り屋たちを『Diablo』の『Driver』に
 誘っていたのは、私……」
「私の父は、WON-TECの創設者だった。
 街の小さな自動車整備工場だった
 WON-TECをここまで大きくした父……」
「……あの旅行が楽しみだった。
 仕事に毎日忙しい父との休日のドライブ」
「春の盛りだった……桜が舞い散る春の箱根。
 走り屋の車が私たちにパッシングしてきた。
 ……遊び半分で……」
「カーブミラーにヘッドライトの光が反射した時
 父はハンドルを大きくきった……」
「その事故が私たちの悲劇のはじまりだった」

「走り屋との接触事故で両親を失った私と兄は
 『Diablo』をつくり、走り屋を
 サンプルにすることが復讐になると信じた」

「会ったのは、いつも横浜シリウスホテル。
 最上階、白い天井の豪華な部屋だった。
 走り屋たちは簡単に言うことを聞いてくれた」
「みんな、壊れてしまえばいいって……。
 窓から見える夜景は、水面に映る夜の街のように
 おぼろげに揺れてた」
「あの頃の私はまだ……
 泣き虫だったから……」
「自分に嘘をついて……
 どこまでも……嘘を重ねてく」
「虚構の世界で……私は生きた……。
 私の人生をこんなにしたのは
 あの時の走り屋たちだって……」
「思いこむことで自分がしてることに
 疑問なんていだかなかった」
「みんな……してることだもの。
 自分を守るための嘘のひとつやふたつ。
 ……そんな風に思ってた」

「当時の走り屋たちの中にあなたはいたわ」
「DiabloTunedZetaを
 追い抜いてくもう一台のZeta……」
「考えられないことだった……。
 横浜にあなたが現れた時……
 あなたの走りは私たちの理解を超えていた」
「『横浜最速伝説』のいくつかは
 本当は、あなたの記録…………」
「あなたは、本当の『横浜最速の男』……。
 『Diablo』のちからを借りずに
 走り続けた真実の『最速の男』……」
「私たちはあなたをサンプルとしてほしがった。
 だけど……あなたは拒んだ……」
「あなたは……私を本気でしかってくれた。
 ほかの走り屋たちはみな…無関心に
 通り過ぎていくだけだったのに」

  【−光の夢−
   密会の時・シャワーを浴びる葵
   Diabloのカプセルを叩き割る
   10年前の赤碕】

「時が芽生えた………。
 2人の時間……」
「愛だなんて言えたのかな……。
 いまとなってはわからない」
「……ただ、会えないと
 胸がいっぱいになるくらいに
 さみしかった……」
「会っているときだって……
 いつも涙が出そうなくらいに
 せつなかった」
「本当の私を知らせることが
 できなかったから……?」
「勇気を出して…私はあなたに
 真実の私の話を聞かせた……。
 現在、私がそうしてるように」

「……あなたは部屋を飛び出していった……。
 『Diablo』のカプセルをたたきつけて……」
「あんなに怒った顔……見たことなかった。
 いつも笑ってたあなたが……
 あんな表情を隠し持ってたなんて」
「だけど、あなたは約束してくれた。
 きっと戻るって……」
「あなたは約束を破ることなんて
 一度だってなかった……。
 私は信じて……待ったの」

「夜の横浜……
 紅色の満月が空で見てた」

「あの夜から……2度と
 あなたは戻らなかった」
「私の中の…………
 あなたは……死んだの……。
 ………10年前に………」
「何日かが時の砂時計のように
 ゆっくりと過ぎ去った……」

「兄さんと同じ職場だったシュナイダーが告げたわ。
 あなたも……兄さんも…死んだんだって……」
「横羽線で起きた走り屋たちの
 自動車事故に巻き込まれたんだって……」
「私は、以前よりも深く走り屋を憎んだ……。
 憎しみは強く…………私は……
 元の世界には戻れなくなった……」

「踏み外した道を戻るのは、簡単ではない。
 破片になった世界は深い傷となって襲う」

「壊してしまうのは
 あんなに簡単だったのに」




葵
「……10年が経った……」
「忘れることはできなかった。
 だけど……人はなにかを失って
 また、なにかを得て生きていく」
「10年前のあなたはあの夜
 そう言って
 私をやさしく包んでくれた」

「一輝は……2年前
 私の前に現れた」
「あなたと同じ目をした走り屋だった。
 速くなることだけを夢見て……」

「今度こそ見つかるかもしれない。
 本当のやすらぎ…………」
「一輝のことを……
 あなたの面影を見ながら……
 私はそう心から願った」
「走り屋への憎しみを忘れること。
 同じ走り屋を愛することで
 できるんじゃないかって」
「私は満開の桜の下で……
 木もれ日をあびてはしゃいでいた
 あの頃に戻りたかった」

「だけど………………」
「ある日、一輝の走り屋チーム
 BayLagoonRACINGの
 集合写真を見せてもらった」
「私は……激しく混乱した……」
「死んだはずのあなたが
 あの時の姿のまま
 そこにいたから……」
「いままで忘れようとしてきた
 心の奥底…………」
「自分が……壊れてしまった……」
「シュナイダーを止めようとしたけど……
 できなかった……自分のしてることが
 わからなかった…………」
「みんな……死なせてしまった……」

「いま……私は……
 おだやかな気持ち……」
「何も知らない泣き虫だった
 少女の頃のように
 安らかに……眠れる……」
「そのためにあなたに……
 会いに来たの……」



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