「覚えてるのは…………  …………光だ…………」 「道の果てに見えたのは……  ……一筋の光だった……」 「暗黒の闇の中に差し込む  ………絶望の光………」 「その時……  アイドリングの鼓動だけが  聞こえてた」 「……永き夢の終わりに……」 「……オレはすべてを奪い返す……」 「あの夜……  ホテルの部屋から飛び出したオレは  オレの車……Zeta3000を走らせた」 「……未明の横羽線……」 「走り屋のバトルが戦争状態に突入してから  この時間帯は、BATTLE STAGEには  うってつけの時間帯だった」 「あの夜も……オレのZeta一台だけが走ってた。  DiabloZetaを待つために……  高速の路上にオレはZetaを停めた。  辺りにはアイドリングの音だけが響いてた」 「オレの手には鉄の塊が握られてた……。  そうさ……何度も握りを確かめて  鉄はオレの一部のようになじんでった」 「震えることもなかった。  空に真っ赤な月が出てたんだ。  オレのこと……守ってくれる。  そんな気がしてたんだ」 「……風の音もしない夜だった……。  空気の圧縮…………道の先から  激しいエンジン音が近づいてきた」 「オレは目を見張っちまった……。  オレの標的のDiabloZetaが  軍団となって突入してくる」 「なにが起きたのか……  わからなかった……。  考える時間もなかった」 「……ただ、まぶしかったんだ……」 「DiabloZetaのハイビームが  オレを照らしつける」 「SPEEDをあげろ!  ぶっとばせ!!  ぶっちぎれ!!」 「オレは呪いの言葉のように  そうやってつぶやいてた」 「それから起きたことは…………  地獄の炎を悪夢に描いたような  そんな情景だった」 「BATTLEの最前線を走ってた  DiabloZetaの1台がフェンダーを  こすりつけながら壁に激突した。  次々とスピンする後続車たち……」 「SPEEDをゆるめることもない……  自ら…燃え上がる炎を追い求めるように  突っ込んでく…………こいつらに  恐怖はないのか………………?」 「オレは空っぽになっちまった頭で  そんなことを考えてたんだ……。  だけど……そうさ……  …………身体は動いてた………」 「握りしめた鉄が熱を帯びてく……。  腕を通じて、鋼鉄の衝撃が加わる。  嫌な金属音と燃え上がる炎の音」 「衝撃が痛みに変わり、オレの身体も麻痺した。  オレは壊れちまった人形のように……  動けなくなった…………  ………………何も感じなくなった」 「ただ目の前のアスファルトにしみこんだ  薄汚れたオイルが次々に燃え上がる。  その情景を眺めてたんだ……。  呆然と炎の中に立ちつくして…………」 「走ること、オレは……  汚す奴らは許せなかった  守りたかった……  それだけだった」 「オレのしたことは……  許されない……  ……だけど……」 「そうしなければ……  走り屋のオレたちは……  みんなの気持ちは……」 「……10年間……  見続けた悪夢……」 「……炎に包まれた悪夢……」 「それすら……  愛おしかった……」 「……D-Sleepの間……  オレは……この一夜の悪夢を  記憶に刻んでた……」 「……唯一の……絶対の……  オレがオレである  ……その証として……」 「……これが、オレの真実……」 「……記憶の闇に刻まれた……  …………オレの真実…………」 葵 「……あなたは……  本当の横浜最速の男……」 「『Diablo』のちからを借りずに  誰よりも速く走ってた……」 「そう…………」 「……いつだって走ってたわ。  自分を信じて走ってた……」 「どこにもたどり着けなくても……  あなたは恐れずに……  ……走り続けてた……」 赤碕 「だけど、裏切られた……」 「信じてた想いが……  突然に消えてしまったとしたら……」 「オレが……生きてきたことは  無駄になってしまう……」 葵 「ううん……いまその瞬間に  あなたが頑張っていたことは  私が知ってる。心に残ってる」 「だから、けっして  無駄なことなんかじゃない」 「…………オレの10年…………」 「……奪われた10年……」 葵 「あなたの時間はあなたのもの」 「失ってなんていない」 「だって、いまあなたはそこにいる」 「悔しいと感じてるあなた  怒ってるあなた……  全部があなたのもの」 「あなたにはあなたの明日がある。  明日を思えるいまがある」 「そうよ……  あなたは許さなければ……」 「自分を許して……  そして、救うの」 「しっかりとうけとめて  自分のいまを取り戻して」 「聞こえるか……? そこにいるか……?  ……オレを動かしてたあんた……」 「そいつは誰でもないんだ……  オレでもあんたでもない」 「そいつは誰でもあるんだ……  オレであってあんたでもある」 「…………真実…………」 「……どこにある……?」 「……誰かを捜してた……」 「道の先には誰かが……  待ってるんじゃないかって」 「走ることでしか  わかりあえない誰かが……」 「オレは………………」 「速くなりたかったんだ……  誰よりも速く……」 「走り屋たちみんながそうさ。  街のどこかで……  峠のどこかで……」 「自分より速い誰かを探して  ……待ってるんだ」 「そこは路上さ……  オレたちの道……」 「みんな……  ……路上で……  誰かを待ってる」 「どうするかなんてわかんなかった  夢中だったんだ」 「アクセルを踏み込む……  ……踏み込めば  そこが道になる……」 「オレたちの道に…………」 「オレたちが出会う  ……その道に……」 「Remember……  On The Road……」 「…………思い出せ…………」 「はじめて……  エンジンをかけた時……」 「ステアを握る……  アクセルを踏みこむ……  はじめて…走り出した時……」 「あの瞬間……  ……10年前も今も同じ……  興奮……気持ちの揺れ……」 「それは……オレのもの……  誰でもないオレのもの……」 「……走り屋みんなのもの……」 「…………オレは…………  オレを取り戻すために……  走ってたんだ……」 「オレの取り戻したかったのは……  走ることが大好きだったオレ……」 「闇の記憶に刻まれた  鉄パイプのアイツなんかじゃない」 「……それが、真実……」 「……終わったのか……?」 「わかってるさ…………。  オレは走らなきゃならねえ」 「いびつな形に変わっちまったRS2000tb  ………………藤沢先輩………………」 「『Diablo』から自分を  取り戻そうと必死で戦ってる」 「走ることで取り戻せるなら……  …………藤沢先輩…………  あんたのためにオレは走る」 「あとひとつ、わからないことが残ってる。  葵……何故、藤沢先輩に『Diablo』を?」 「……愛してるっていうのは嘘なのか……?」     VS    Ikki Fujisawa HIGH SPEED DRIVING RPG   【藤沢とバトル…だが】 →GS画面へ 「藤沢先輩のRS……止まっちまった。  悲しみに沈みこむように……  アイドリングの音だけが聞こえてる」 「……自分を取り戻せたのか……?」 「あの時……オレは聞いてた……  事故った時の藤沢先輩の弱い言葉」 「なにかに追われて、どこまでも逃げてる。  明日から逃げたかった……  …………あんな言葉、嘘だよな」 「あんたは立たなきゃならねえ……  ………オレが見つけた………  ………『最速の男』………  まだ勝負はついちゃいないんだ」 「最速の彼方……  朝日の向こうにきっとある。  見届けてくれ……  オレともう一度、走ってくれ」 赤碕 「『横浜最速伝説』……終わっちゃいない。  なあ、藤沢先輩……そうだろ?」 藤沢 「翔……おまえ……が…  オレの探してた伝説……」 「真実の伝説の男…………」 「おまえと……もう一度……  ……走り…たい……」 「…………な、翔……  次は……負けないぜ……」 「その後、聞いた……  藤沢先輩の消えゆくような言葉……  だけど、力強い言葉……  オレは、いつまでも忘れない」 藤沢 「なあ、翔……。  オレたちの夢見た伝説……  ちっぽけな伝説……  ……ほんとうにあったのか……」 「オレたちの追いかけてたもんは  熱い夏のアスファルトを焦がす幻……  蜃気楼みたいなものだったんだろ」 「だけどな……翔。  オレは後悔なんてしてないぜ。  そうだな……  むしろ、誇らしく思ってる」 「夢を追うってことは  オレたちにゆるされた最高の贅沢だ。  たくさんの『いつか、きっと』……  オレたちは追いかけてる」 「オレたちの走り……  道に刻まれた物語…………」 「誰かが思い出すこともないだろう。  すぐに消えてしまう走りの刻印……  だけどな……それでも……  ……オレたちは走り続ける……」 「どこまでも……最速の彼方へ……」  (ゴツンッ) 「衝撃…………頭がひどく痛む……  ……鉄パイプ……オレ……?  …………オレじゃない…………」 「わからねえ……記憶が蘇る……  石川たちの死体……  オレが乗り越えてきた死体……」 「崩壊するBayLagoonTower……  ……爆破のスイッチ……  ……押したのは誰だ………  ……覚悟を決めてた……?」 「現実……目の前の風景……  DiabloRS……  運転席に葵………助手席……  藤沢先輩……」 「誰かのために死ぬということ……  そいつはなんでもねえ……  取るにたらない……愛の証だ」 「想い……10年前……オレが  横羽線の炎の中で熱病のように  思った偽りの愛の決意……」 「藤沢先輩……気づいてたんじゃないのか?  葵……自分にDiabloを……  こうなること…………わかってた?」 「終局……破滅……  ゆがんだ愛の滅び……」 「……冗談じゃねえ……」 「行かせやしねえ……  そんな終わり方なんて  絶対にさせねえ!」 川志摩葵を阻止せよ…… HIGH SPEED DRIVING RPG 「できるかなんてわからねえ。  ………許すなんて………」 「だけど……藤沢先輩は信じてたんだ。  いつか辿り着ける……葵が癒やされる場所へ。  見つけられないなら、自分が見つける」 「…………最速の彼方へ…………  遠い道の果ての幻なんかじゃない  自分の中にきっとあるその場所へ」 「そうさ…………」 「……オレにだってできるよな……」 「『さよなら』なんて言葉  うまく言えたことなんて  一度だってないんだ」 「別れの言葉のかわりに……  オレはこんな風に言ったんだ」 「いつかきっと……時が経てば……  ……また会える……そうだろ……?」   【夜明けのBayLagoon埠頭・抱き合う藤沢と葵】 <<分岐>> (a.称号がゲイルアモーメントになっていない) →後述の【エンディングポエム】へ (b.称号がゲイルアモーメントになっている) (10年前の赤碕) 「どこへいくっていうんだ……?  みんながあんたを待ってる」 「オレはあんたと一緒に  みんなのところにもどりたいんだ」 赤碕 「冗談じゃねえ……」 (10年前の赤碕) 「LAST RUN……走ろうぜ」 「REWARDSなんてない」 「ただ走る……勝ちも負けもない  ……そんな走り」 「最高の走り屋のあんたと  走りたいんだ」 赤碕 「俺は消える…………  そのはずだろ?」 (10年前の赤碕) 「あんたが消えたいときに  消えればいいさ」 「それまではオレたち  一心同体だ」 赤碕 「相変わらず…………  調子のいい野郎だ」 (10年前の赤碕) 「…………………………」 「それに…………」 「やり残したことあるだろ?  最速の彼方……蜃気楼をつかむ  ……まだだったよな」 「藤沢先輩と走った時だって…………」 「あんた、泣きそうな顔でさ……」 「……あんなに綺麗な朝だったのに……」 「ヘヘッ……いつかもう一度  そんな朝が来るまで  オレが相手してやるよ」 「いくぜ……」 →10年前の赤碕・Zeta3000とバトル  【ポエムシステム発動】 「これからどうなるんだ?」 「……わからねえ……」 「……探しものは……  たくさんあるしな……」 「……約束もある……」 「由佳……辻本……山田……  藤沢先輩……葵……  あんたとオレのダチ」 「……アイツらとの約束……」 「……アイツらだけじゃない……」 「オレを待ってる誰かがいる……  どこかの街に……  どこかの峠に……」 「オレもそいつを待ってるんだ  いつでも路上で……」 「誰よりも速いそいつを……  どこかにいる誰かを……」 「そうさ………………」 「………走るさ………」 「……見つかるまで……」 「……オレたちはいつでも……  …………ここにいる…………」   HIGH SPEED DrivingRPG    RacingLagoon  【ポエムシステム終了】 →【エンディングポエム】へ 【エンディングポエム】      yokohama1999  RISING MOON ROCK'N ROLL     深き闇夜が悪夢の始まりを告げ     MAY BE TOMORROW      朝のこない夜なんかないのさ   街を行き交う HEAD LIGHTの列    EXHAUST NOTEの数だけ         ドラマがある        ひとりひとりが      悲しみを心に抱きしめて   EVERY NIGHT,疾走するのさ   BLUE DAY IS RAINY DAY      …しかし、安心してくれ         ひとつだけ      伝えておきたいことがある         せつなくて    どうしようもなくなっちまった時は      港の見える丘公園で  BAY BRIDGEを睨みつけるといい   狂ったような青い閃光を涙ににじませたら     きっと、何かが見えてくるはずさ DRIVING ALL NIGHT TOGETHER       醒めちまったこの街に     熱いのは俺達のDRIVING     FEW NIGHTS LATER <<分岐>> (c.UORを完全制覇していない) →スタッフロールへ →GS画面へ →タイトル画面へ (d.UORを完全制覇している)   【名も無き公園にて】 山田 「あのさ」 「いつか、おれの人生にも朝がくるのかな」 「今だから言えるけどさ  おれ、わかってなかったじゃんか」 「他人より速く、激しく、前だけを見据えて  空が朝焼けに染まるまで走る」 「それがカッコイイんだ  なんて思ってた」 「でもさ、それは違ったんだよね」 「そんなウワベとか  客観的な視点なんて  誰も気にしてなかったっていうかさ、  う〜ん、  うまく言えないんだけど」 「ひとつだけわかった事があったんだ」 「みんな、重〜いものを肩に背負って  それを誰にも話せず、相談できずに  ひとりでどうにかしようとするために  走っていたんだな〜って事」 「おれ、恥ずかしい」 「悩みとか不満とかがあったら  すぐ相談したりグチこぼしてたりしてた」 「自分で解決しようとして  悩んでたんじゃなかったんだ。  悩んでるふりして、  俺ってこんなに大変なんだぞ〜って  誰かにひけらかして  かっこつけたかったんだろうな」 「それじゃダメなんだよね」 「おれ、クルマに乗ってて良かったな」 「だって、みんなに出逢わなきゃ  表面ばかり気にして  自分の事ばかり考えて  そのクセ大切なものが見えてない。  そういう人間になっちゃってたと思う」 「一番大切なものって  一番身近にあるから  見落としちゃうんだよ」 「……そうそう」 「名も無き公園って  雑草が凄いところだったんだけど  おれが毎晩のように行くようになってから  枯れた雑草が目立つようになっていった」 「それを発見した時にさ、  ハッと気がついたんだ」 「おれの排気ガスのせいだって」 「おれって雑草みたいな人間だから  なんかさ、それ見て  自分の姿を  オーバーラップさせちゃったりして…」 「それ以来、あそこには  なるべく行かないようにしようって  決めたんだ」 「自分のクルマで  自分でガソリン代払って  自分で運転してるんだから  どこに行こうが、どう走ろうが  おれの勝手じゃん!  なんて思ってたけど、  少しづつ考えが変わってきた」 「おかしいよね。  道端に雑草が生えてるなんて  ちっちゃい子供でも知ってることなのに  大人には見えてないんだ」 「…あれ?  おれ、何の話をしてたんだっけ?  脱線してきちゃったかな?」 「あのさ」 「……ひとつだけ  頼みがあるんだ」 「由佳との約束  覚えてるよな……」 →スタッフロールへ →GS画面へ →タイトル画面へ