【3京の黒い悪魔】 「フロントガラスを叩く  ……土砂降りの雨……」 「堂々巡りのワイパーが  必死で抵抗する……」 「……道の先はかすんで見えやしねえ……」 「街を行き交う傘の花……  NorthYOKOHAMAを抜けると  そいつは待ってた……」 「……3京の黒い悪魔……」 「……今夜の獲物に喰らいつくために……」 →バトルへ <<分岐>> (a.勝った場合) 赤碕 「たいしたことないな」 「3京の黒い悪魔……  あんたのことだろ?」 (加東) 「ヘッヘッ……  直線は気持ちいいだろ。  踏んでりゃいいからな」 「関東は楽でいいぜ。  馬鹿でも走れる。ステアもいらねえ」 赤碕 「負け惜しみは  見苦しいな……」 「悪魔さんよ」 加東 「ヘッヘッヘッ……  オレは箱根DriftDANCERSの  加東源児ってもんだ」 「おまえ、BayLagoonの  藤沢か…」 赤碕 「………人違いだ。  用がないなら  話はそこまでにしてもらう」 加東 「ヘッヘッ……おまえが  誰でもかまいはしねえ」 「藤沢に伝えとけ。  箱根で虎口が待ってるってな」 「ヘッヘッ……  負け犬のまま、逃げてても  しようがねえだろってな」 (b.負けた場合) (加東) 「ヘッヘッ……」 「関東は楽でいいぜ。  馬鹿でも走れる。ステアもいらねえ」 「踏んでりゃいいからな」 赤碕 「………………」 加東 「ヘッヘッヘッ……  オレは箱根DriftDANCERSの  加東源児ってもんだ」 「藤沢に伝えとけ。  箱根で虎口が待ってるってな」 「ヘッヘッ……  負け犬のまま、逃げてても  しようがねえだろってな」  【ポエムシステム発動】  【3rdKEIHINを疾走する赤碕】 『負け犬のまま、逃げてても  しようがねえだろ』 「……箱根DD・加東の残した言葉が  俺を動揺させてた……」 「……走りの世界は非情なもの……」 「……一度でも負けは負けだ……」 「…………いつだったか…………  藤沢先輩がつぶやいた言葉……」 「……藤沢先輩が箱根の使者と  バトルを避けた理由……」 「……すべてがつながる気がした……」 「……悪い方向に……」 「藤沢先輩を負かした奴が  HAKONEにいる……」 「……藤沢先輩よりも速い奴が……」 「……藤沢先輩は、そいつを恐れてる……」 「……冗談じゃねえ……」 「……俺は、わいてくる疑惑を  打ち消そうと必死で抵抗してた……」 「……いまは走るしかねえんだ……」 「……藤沢先輩を信じてな……」 「難馬さんも沢木も……  俺の中でつぶやいてた」 「声が聞こえたわけじゃないけど  ……アイツらは俺のそばにいる……」 「沢木も……難馬さんも……」 「……俺と走ってる……」 「……そんな気がした……」 「俺はすべての疑問に確証を得るために……  藤沢先輩のマンションを目指してる」 「……満足する答がなかったなら……」 「……そこで、THE ENDさ……」 「……3京の緩いコーナーをぬけると  雨は急ぎ足で過ぎ去ろうとしてた……」 「……雨にかすんだ空……」 「……なにかが生まれる……」 「……そんな予感がしてたんだ……」  【ポエムシステム終了】  【藤沢のマンションへ】 藤沢 「……言いたいことは  それだけか?」 赤碕 「ああ…………」 藤沢 「オレが恐れてる……?  箱根のあいつ……  虎口とやるのを……」 「……恐れてる…か……  確かにそうなのかも  しれない……」 赤碕 「認めないでくれ……  そんな簡単に……」 「藤沢先輩は……  俺たちとは違う……」 「誰も見たことない  最速の彼方へと行ける……  そんな種類の人間なんだ」 「俺たちに  夢を見させることのできる  選ばれた走り屋……だろ?」 「だから……認めないでくれ  そんなにあっさりと……」 藤沢 「最速の彼方へ行ける……  ……走り屋か……」 「赤碕……走りの世界には  ある一線を越えてる奴等がいる……」 「…………死線…………」 「……死への恐怖を厭わない走り屋……」 「人間の条件ってヤツがあるなら……」 「死を恐れる気持ちは  おそらく、そのひとつだ」 「死ぬことを恐れない者を  『人間』と呼べるかどうか……  ……オレにはわからない」 「……そいつと走ってるとな……」 「引きずられる……  人間を越えた闇の世界に……」 「箱根の峠には……  そんな力をもった魔物が  棲んでるんだ……」 赤碕 「箱根に棲む……魔物……?」 藤沢 「……箱根の虎口美春……」 「箱根峠の皇帝の名を  継承する走り屋……」 藤沢 「……オレが唯一完敗した男……」 「……あれは、2年前のバトルだった……」 「…………オレか虎口か…………  ふたりのうち、どちらかが……」 「……箱根の皇帝の名を継承する……」 「……1度きりの真剣勝負……」 1997年3月14日PM3:00 Hakone 走り屋の聖地  【ポエムシステム発動】  【曲がりくねった登り坂での   2台が併走する激しいバトル】 藤沢 「サイドバイサイドのツインドリフトで  前を走るパートナーが遅かったなら  おまえは、どうするんだ?」 虎口 「どうする、だと…?  意味がわからんぜ」 「あおるさ…………」 「俺は変わらず突っ走るだけだ。  走りの世界は  きれいごとじゃねえんだ」 「俺についてこれないヤツ  俺を邪魔するヤツ  そいつらは走る資格もねえ」 「俺と同じ道に上がる資格はねえ!」 藤沢 「一歩、間違えたら  どちらも死ぬかもしれない」 「それでも、おまえは  あおり続けるのか?」 虎口 「そうだ。  俺がもし逆の立場でも  そうされたほうがいい」 藤沢 「仲間よりも、最速の記録が  大事ってわけか?」 虎口 「最速の記録……!?  笑わせるな!!」 「いいか? 最速の走りってのは  誰かが叩き出した走りの記録を  破るために走るってわけじゃねえ」 「道はただそこにある。  俺が走るその先に……。  俺が走るから、道があるんだ」 「どこまでも速く…強く…遠くへ……。  それは俺の中から出る  果てしない高みへの憧憬」 「道があるから走るんじゃない。  俺がここにいるから  突っ走るしかない…」 「誰も成し遂げたことのない領域へ  俺は突っ走りたいんだ」 「敵なんていないぜ…………。  敵は……俺自身だ」 (藤沢) 「オレたちはバトルに夢中で気づかなかった……  目前に一台のElephantが迫ってた」 「オレたちの勝負はそこまでだった。  ……ブレーキをふんだのは  オレのほうだ」 「……あいつには見えてなかったんだ……」 「……道の先だけしか……」 「……まわりは関係ない……」 「……誰と走ろうと関係なかったんだ……」 「……このRACEの後……」 「……虎口は箱根の皇帝の名を継いだ……」 「…………そして…………」 「……オレは、峠を降りたんだ……」  【ポエムシステム終了】 藤沢 「心配するな…………。  翔……」 「明日、オレたちは箱根に向かう。  山田と由佳には連絡済みだ……」 「それで満足だろ……?」 「オレは……もう一度……  虎口と走る……」 「それに……あとひとつ……」 「箱根には  オレの走りの師匠だった人がいる」 「10年前から走り屋だった……  オレに『横浜最速伝説』を教えた人だ」 「おまえたちの知りたいこと……  『横浜最速伝説』の真実……  なにか、わかるかもしれない」 「……遠征は……  なにより気分転換になる」 「オレたちには  傷ついちまった心の痛みを  癒やす時間が必要なんだ……」 「それに、翔……おまえは  虎口の走りを知っておく必要が  あるしな」 藤沢 「忘れるなよ……翔。  おまえもな……」 「最速の彼方へと行ける……  そんな種類の走り屋なんだ」 【The Night is COMPLETED】