1999 YOKOHAMA GRAND-PRIX QUALIFYING ROUND WON−TEC YOKOHAMA GP QUALIFY ROUND WARMING UP RUN MOTOMACHI QUEEN'S Y.TACHIKAWA SAKURAGICHO GT T.KAWASAKI TAKASHIMA VICTORY ROAD F.ROVERTS WANGAN GALE T.YABUKI NIGHTRACERS HONMOKU A.TSUJIMOTO TEAM BAYLAGOON RACING S.AKASAKI TEST RUN QualifyRound START 【勝つとセーブ画面へ】 【負けた場合・リトライ後】 赤碕 「……冗談じゃねえ……」 「もしも……走りたりなかったのなら  昨夜のSouthYOKOHAMAに  戻ることができる」 「横浜GP……  負けちまったら、すべておしまいさ」 【WON-TEC社長室  予選のスライドショーが流れている】 (社長) 「見込み通りの期待の新星か」 「順調に成果は  あがっているようだな」 (シュナイダー) 「本選までに  さらに大きくはばたく」 「無限の可能性を  秘めています」 (社長) 「……よろしい……」  【社長が去った後】 (シュナイダー) 「伸びる可能性……ハッ!  ガキの走りの裏返しだ」  【横浜GPのコースを走る赤碕】 「……横浜GP予選……」 「……ちっぽけな名誉と夢と……  幾ばくかのREWARDSを  賭けて戦った祭りの後……」 「……会場の人の流れも  いまは途絶え……」 「特設のPIT GARAGEも  観客スタンドも撤収が始まってる……」 「……TEAMの連中は  祝勝会の準備とかで  先にいっちまった……」 「……俺はここで  携帯に連絡が入るのを  待ってる……」 「……俺がGP会場に残ったのは……」 「……お仕着せの祝勝会なんかよりも……」 「……俺たちの戦いの記録は……  この路に刻まれているから……」 「…………そうさ…………」 「……路に何本も残された  ドリフトの轍……」 「……明日になればまた  もとの車の流れに消されちまう……」 「……道に描かれた  俺たちの物語……」 「俺たちが……  この路を走りぬいたっていう  確かな証……」 「……走りの刻印……」 「……勝利の余韻……」 「少しでも長い間  感じていたかった」 「……或いはそんな理由かもしれねえ……」 「……それにもうひとつ……」 「ここにいれば……  難馬さんが現れるかもしれない……」 「……そんな風に思えたからさ……」  【携帯が鳴る】 由佳 「………………赤碕…………」 赤碕 「……どうした?  暗い声だして……」 「祝勝会の場所が  見つからなかったのか…?」 由佳 「…………赤碕……」 赤碕 「気にするな……  俺は人に祝われるなんて…  そんなもん、好きじゃねえ……」 由佳 「………………  難馬さんが……」 「…………難馬さんが…………」 「……SEVENが……  海に………飛び込んで……」 由佳 「難馬さん………  ……死んじゃったの…………」 「……携帯から鈴木の声が聞こえてた……」 「だけど、俺に………………」 「……聞き取れたのは……  そこまでだった」        「また走り屋の事故だってよ!!」                   「自殺だって……」          「海に真っ直ぐ飛び込んだってよ」  「スピードの出しすぎだろ?」       「頭を打って即死だったらしいぜ」 「……なにひとつ、わかんねえさ……」 「……自殺なんかじゃ  あるはずねえ……」 「難馬さんのSEVENは  BayLagoonの立入禁止エリアの  柵を突き抜けて、海へ転落した……」 「事故現場にはブレーキの  痕跡もなかった……」 「海から引き上げられる  難馬さんのSEVENは  昨夜、俺を襲った  不気味なマシンだった……」 「……夕日を浴びて……  海から上がってくる  いびつな形のSEVEN……」 「流れ落ちる海の滴は……  SEVENの流す……  …………涙…………」 「……そんな風に見えた……」 「……難馬さんの死に  不審な点は多かった……」 「だけど……俺の中に腐った蛆のように  這い上がってくる違和感は……」 「難馬さんの死よりも  むしろ……」 「……こうなることを  どこかでわかってた  俺自身がいること……」 「昨夜、難馬さんが  走り去ったときから…」 「……そうじゃねえ……  ……もっと前から……」 「……予兆があった……」 「そのことが……  恐かった……」 「堪えきれなくて……  ……俺は……  嘔吐したんだ……」 「…………なにもかも…………  吐き出しちまいたかった……」 「……これが俺たちの  横浜GP祝勝会さ……」 「……同じ夜のことだった……」 「…………沢木が…………  病院で息を引き取ったんだ」 「雲は暗色の闇を携え  空を覆ってた」 「……大粒の雨が落ちてくる……」 「濡れた空に……  後悔、不安、焦燥、猜疑、恐怖……  悲しみ……」 「……混じり合って、溶けていく……」 「激しい雨に打たれて  俺たち誰もが立ちつくしてた」 「行き先もわからずに……  そうさ………」 「……みんな死んじまうんだ……」 「…………大切な誰かを残して…………」 7thNight DeepRain