【SouthYOKOHAMAに戻ると】 赤碕 「難馬さんは見つからない……。  走り終えるなら  BayLagoon埠頭さ」 【エピローグ】  【赤碕の携帯が鳴る】 (難馬) 「……赤碕よう……  赤碕よう……」 赤碕 「……難馬さん!?」 難馬 「聞こえるんだ……  ……声が……」 赤碕 「難馬さん……  いまどこに……?」 難馬 「…………赤碕よう……。  声が……聞こえるんだ」 「聞こえるんだ……」  【電話が切れる】 赤碕 「難馬さん……?」 「難馬さん……  どうしちまったんだ……?」  【ハイビームを受ける赤碕】 赤碕 「何だ!?」  【ポエムシステム発動】 赤碕 「あのTUNED CAR……  SEVENベース!?」 「ナンバーは……1969…  難馬さんのSEVEN…!?」 「SpecialTuned…?  見たことないAeroだ……」 「……俺を誘ってるのか……」 「…………ついてくしかねえ」 「SEVENがハザードを出して  停止した…………」 「そこは、沢木の事故った  ……BayLagoon  最終コーナーだった……」 「……ゆっくりと明滅を繰り返してる  SEVENのハザードの光が  俺を不安にさせてた………」 「SEVENのパワーウインドウが  降りていく……」 「ドライバーズシートには  俺の見たことない……  難馬さんが座ってた……」 「……げっそりと肉が削ぎ落ちて……」 「……輝きの失せちまった  闇色の目をした難馬さんが……」 難馬 「…………赤碕よう……」 「…………おれは………  わかった…………」 「10年前…………兄貴が……  …………なにを………………」 「……………走ってたか………」 赤碕 「難馬さん………………」 難馬 「……赤碕…  ……おまえも……  おれたちと……同じ………」 「……逃れられない……………」 「…………声から…………」 「……声から…………  ……逃れられない……」 「どこまでも…………  ……つきまとう……」 「…………この忌々しい声…………」 赤碕 「難馬さん……  わからねえ…………」 「なにいってんだ……!?」 難馬 「……おれともう一度だけ………  走ってくれ……」 「……おれは…………  まだ…………」 「おまえの……知ってる……  ……おれだよな…………」 「だけど………………」 「……この声…………」 「こいつ……が……  ……おれに…………」 「空ぶかしのエンジン音が  俺の耳をつんざく……」 「……難馬さんの声は  とぎれとぎれにしか  聞こえなかった……」 「ウインドウ越しに見えた……  難馬さんの目は………  なにかを覚悟しているようで……」 「…………それでいて  なにもかもあきらめてるような……」 「…………何故だろう?…………」 「…………俺は知ってる気がした…………」 「…………あの視線…………」 「俺はどこかで……  同じ目を見たことがある……」 「…………冗談じゃねえ…………」 「……俺は止めなきゃならねえ……」 「……難馬さんを止めるために  俺は走らなきゃならねえ……」 「このまま……  行かせちまうわけには  いかねえんだ……」  【ポエムシステム終了】 もう、戻れない 陳腐な楽しさを味わっていただけの 軽くて薄っぺらいあの頃には戻れない  【ポエムシステム発動】 「……止めることはできなかった……」 「……難馬さんのSEVEN……」 「……MONSTER MACHINE……」 「……CRAZY DRIVER……」 「……そんな言葉が脳裏をかすめた……」 「……難馬さんの走りは  以前とは別物だった……」 「……俺は相手にされなかった……」 「…………なにひとつ…………  確かめることもできなかった」 「そのまま……  難馬さんは夜の闇に  消えちまったんだ」 「…………残ったのは…………」 「…………俺の中に…………  なにかが挟まってるままの異物感」 「……それだけだった……」  【ポエムシステム終了】 【The Night is COMPLETED】